東京都内の閑静な住宅街の、南西の角地に立つ住宅。5つの異なる大きさのボリュームが噛み合った形で構成される。
このボリュームの噛み合わせは、内部空間に求められる諸要求から導き出されたものであり、空間の骨格をなすが、一方でこの形式は内部の空間を緩く規定するのみに留まっている。
1階はある程度このボリュームを反映した形で寝室や駐車場、玄関周りの空間や階段が成立しているが、2階はほぼ一つの大きなワンルーム空間の中にリビング、ダイニング、キッチン等が配置され、脇に水廻りやサンルームなどの小さな部屋が並んでいる。この2階の大きなワンルーム空間は、壁が凹凸し、天井の高さも一定ではなく場所によってまちまちである。独立柱が数本露出し、
和室は天井が低く床が上がった窪みのような空間であり、床に穴が開いて下階からの階段が取り付き、天井が徐々にせり上がって屋上への階段が伸びていく。
このような立体的に変化に富んだワンルーム空間では、内部空間は緩やかに分節され、空間の使われ方も緩く規定されることとなり、人が居場所をつくるきっかけを生み出している。
■規模
階数 地上2階
敷地面積 132.25㎡
建築面積 79.29㎡(59.96%)
延床面積 131.28㎡(99.27%)
■敷地条件
第一種低層住居専用地域
第一種高度地区、準防火地域
■設計
原 浩人/HHAハラヒロト建築設計事務所
小川仁/JIN OGAWA ARCHITECTS
構造 須藤 崇/yAt構造設計事務所
■施工
小川建設株式会社 担当 坂下紀之
■構造・工法
主体構造 在来軸組工法
基礎 ベタ基礎 鋼管杭
長期優良住宅