こやまかわせみクリニック
(内科診療所+漢方薬局+鍼灸+カフェ) 2016 GIFU

設計 ハラヒロト建築設計事務所(原 浩人)
+iroirotoridori(吉岡 寛之)
+studio hutte(松野 由香)
構造 木造
構造設計 森部 康司 yAt構造設計事務所
設備設計 迫 博司
照明設計 萩原 克奈恵


■概要
敷地は美しい山並みを周囲に望む岐阜県北方町にあり、古くからの柿畑が宅地化され新たに生まれる住宅街の一角にある。クライアントの医師は、 西洋医学の他に漢方と鍼灸をとりいれた医療を実践する。本計画は、病気の時だけではなく健康な時にも立ち寄れる、落ち着きも賑わいもある「新しいまちの居場所」をつくる計画である。


■平面計画
小さな木の小屋と明るい路地がつくる身近な場所
諸室を小屋という単位に分解し離散的に配置することで、光や視線が抜ける開放的、かつ路地のような中廊下をもつクリニックを計画した。小屋の間からは、漢方に用いられる樹木や薬草の庭を望む。小屋の入口には有孔シナ合板によるサインと照明を兼ねた掲示板を設け、温かみのある空間とした。


■外観
木の風化とガラスの透明性による対比がつくる現代性
周囲への圧迫感を抑え、遠くの山並みに馴染むように、小さな集落のような佇まいをもつ外観としている。県産材の杉羽目板と大きなガラスが取り合う外装は、風化から生まれる自然素材の豊かな表情をより強調する。


■構造
シンプルな在来軸組工法と僅かな鉄骨がつくる開放感
片流れの小屋は木造在来軸組工法である。その棟木の上部に鉄骨の桁梁をボルト固定し、その鉄骨梁にベイマツ集成材の表しの垂木を掛け、大屋根を構成している。 勾配天井の小さな空間らによって支えられた大屋根により、 外部とつながる多様な中廊下と個性的な小さな個室を創り出している。


■建物用途 :内科診療所+ 鍼灸院+ 漢方薬局+ カフェ
■建築面積 :248.28m2
■延床面積 :310.53m2
■構造形式 :木造、平屋

■主要仕上材料
屋根:ガルバリウム鋼板立ちハゼ葺き
外壁:杉羽目板
開口部:アルミサッシ
内部床:モルタル金ゴテ押え+ 防塵塗装
内部壁:石こうボード+ クロス貼り
天井:梁あらわし、石こうボード+EP 塗装