祖母から譲り受けた築90年の古民家である農家住宅の改修と、新たな暮らしの場となる新築部分の増築を行った。この家では漢方や食に関する定期的な勉強会が開かれるため、家族に限らない人のつながりの場が求められた。そこで、古民家の改修では、従来の出入りしやすい通り土間のプランを保ちつつ、間仕切りの建具と2階床を撤去して、活動を共有しやすい大きなワンルームに改修し、ロフトを設けて空間に奥行きとつながりを持たせ、集う人々の居心地の良さを高めている。
 一方、新築部分にはリビング、ダイニング、寝室を配置し、家族が日常的に過ごす居場所として計画した。古民家には、職人の手間をかけた工夫によって、曲がり梁や差し鴨居といった特徴的な梁が数多く用いられていた。新築部分では現代の技術を用いて曲がり梁を採用し、天井の高さを確保しつつ庭へと広がる開放的な空間を実現している。これらの梁の特徴が新旧の家をつなぐ役割を担う。

[建築概要]
主要用途:住宅
主要構造:在来軸組工法
規  模:地上2階
敷地面積:749.38㎡
建築面積:197.13㎡(26.31%)
延床面積:269.00㎡(35.90%)
市街化調整区域

[協働設計]
原 浩人 HHAハラヒロト建築設計事務所
吉岡 寛之 メゾン
構造設計
増築棟 多田脩二構造設計事務所 多田 修二・川又 祐介
改修棟 高橋建築工房 高橋 政則 北茂紀建築構造事務所 北 茂紀
[施  工]
株式会社ミノワ
[竣工写真]
鳥村鋼一写真事務所 鳥村鋼一